nuri candle

キャンドル作家

1978年福岡県生まれ。自然から受けるインスピレーションを蝋燭に込めるように制作するキャンドル作家。『鉱物キャンドルのつくりかた』など著書多数。

連載中キャンドルに彩を灯して

1福岡に帰ってきた

福岡の端っこから

現在お住まいの地元、福岡の海

はじめまして。
福岡の端っこの海にはさまれたところでこれを書いています。

ここで生まれてここで育ち、15年間この土地を離れて、今またここ戻ってきました。もう戻ってきて2年になるけれど、毎日海を見て空を見て、そうやって自然の中に身を置いていると、風の中に、夜の匂いのそこかしこに、いろんな気配がして生まれて育った場所でなつかしさにむせかえるようにくらくらして。時々夢の中かなと思うほどです。

地元の大学ではデザインを学びました。文字の美しさ、写真の配置、デザインの歴史などに触れ、美しく誌面を構成していくことに興味を覚え、グラフィックデザイン、いいな、やってみたいと漠然と考えていました。

卒業制作で本を制作した時に、毎日流れて日々消費されていくデザインに恐怖を覚え、なにか、こう、手でひとつひとつ作りたいと思っていたときに出会ったのがキャンドルでした。蝋を溶かして、色をつけて、型に入れて固める、それだけの単純なしくみにドキドキしたのを覚えています。無我夢中で蝋を溶かして固める、そんなことばかりやっていました。でも基礎が全然わからない。なんとか固まって形になっても趣味の範囲を超えられない。その時に本で紹介されていた横島憲夫氏に手紙を書き、なんとかキャンドル教室の扉をたたくことができました。

岐阜でのアシスタント時代

身の回りの自然がモチーフになっているnuri candleのキャンドル

上京し幸運にも横島氏のアシスタントとして働くことができ、いきなり岐阜のキャンドルショップをまかされることになってしまいました。右も左もわからずキャンドルの基礎もわからない世間知らずの22歳の小娘です。接客も販売もなにもかもが初めて。多分横島氏に試されていたのだと思います。

まだ色や形がないキャンドルの原型

「おまえは毎日そうじだけやってろ」
「おまえには何も教えない」
「素人のおまえがふざけたことをするな」

しまいには「おまえはまだ中身が何も無いから1年間キャンドルを作るな」とまで言われてしまい、制作禁止令が出てしまいました。何よりもキャンドルを作りたくてしょうがないのに作れないとは。その間、人の作品を食い入るように見て研究です。実際販売しないといけないので、何時間燃焼してどうやって溶けていくかなど家で灯したりして、あの時が一番キャンドルを灯していたと思います。

自分の頭で考えること

キャンドルを作るための道具

何も教えてくれない師匠の後ろから真剣に盗み見です。師匠の制作後のそうじは、その日どんな材料を使ったか、どんなゴミが出るのか。そうやって師匠のもくろみにまんまと乗せられていったのです。蝋の種類、融点、芯の太さなどの基本的なことから、制作過程を想像して材料や道具の準備をすることまでいろんなことを自分の頭で考えることをその時に徹底的に叩き込まれました。

横島氏の下で2年間過ごして後、フリーになった私は縁があって京都に行くことになりました。
そのお話はまた後ほど。

連載中キャンドルに彩を灯して

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8月29日公開

福岡に帰ってきた

京都、そして地元の福岡へと活動の拠点を移しながら、自然をモチーフにしたキャンドルを作るnuri candle。どこか懐かしく、でも見たことがないような新しいスタイルのキャンドルはどのように生み出されているのでしょうか?注目を集めるキャンドル作家の魅力に迫ります。

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9月26日公開予定

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公開予定