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問屋

五八PRODUCTSは、五島史士さんと八木沼修の2人のデザイナーによる東京三鷹市の新しい形の問屋さん。日本に残る伝統的工芸品や各地で根ざす技術を、現代の日常に普通に溶け込む「さりげないモノ」として、産地の「コト」と一緒に、ユニークな商品をお届けします。

五八の日常に溶け込むモノづくり

1五八PRODUCTSは何屋さん?

旅する石鹸 - 「やぎミルク」「はちみつ」「ラベンダー」「さくら」「神戸の酒」「こめぬか」の6種類

「五八=ごはち」とは?

五八PRODUCTSの五島さん(左)と八木沼さん(右)

五八PRODUCTS、通称「五八(ごはち)」は、長崎県出身の五島史士と北海道出身の八木沼修の2人のユニットとして2011年2月に東京・三鷹でスタートしました。

互いに苗字の頭文字が“五”と“八”という漢数字という偶然でもありましたが、商い用語に“ごはちさん”という隠語があり、九九の 五×八=四十(しじゅう)から“始終お越しになるお客様”を指す言葉であると知り、活動をスタートする際に思っていた「日本に残る伝統的工芸品や各地で根ざす技術が“特別なモノ”としてではなく、現代のライフスタイルの日常に普通に溶け込むような“さりげないモノ”として、しじゅう(四十)使ってもらいたい、しじゅう(四十)身近にあって欲しい」という思いと結びつくところがあり、五八PRODUCTSと名付けました。

2人のそれぞれの活動の中で触れた、産地や作り手の楽しい話やすごい技術、彼らの作る素敵なモノを「もっともっと知ってもらいたい。」という思いからスタートしましたが、よく「五八PRODUCTSは何屋さん?」と尋ねられるのですが、五八PRODUCTSは“企画やデザインのできる新しい形の問屋さん”とお話しすることが多いです。

問屋とデザイナーの役割

職人さんが磁器に釉(うわぐすり)を掛ける様子

“問屋”と書くとマイナスなイメージを持つ方もいるかと思います。しかし、そもそも問屋とは商品を売ることがメインではありますが、それと同時に、産地全体が上手く回るように俯瞰してバランスを保つ産地プロデューサー的な大切な役割を担っていて、その存在により、作り手や職人さんが、安定的に仕事を確保できるようになり、産地全体の形成も保たれていたのです。ところが時代の進歩と、その進むスピードが加速してきた現代に於いては、その存在や産地の形成が徐々に崩れてきているというのが、いまの伝統的工芸品の置かれている現状と言えます。

産地へ訪れると、問屋に対して良い面をお聞きすることもありますが、やはりあまりいい話が聞こえて来ないのが実情です。

同じように“デザイナー”に対してもマイナスのイメージを持っている方が産地にはいます。また、消費地へ目を向けると、お客様側の立場からすると「伝統工芸品は扱いにくく高い」というイメージもまだまだあります。

新しい形の問屋を目指して

長野県農民美術 サンタクロース(大)
長野県上田市で作られる木端人形

五八の立ち上げ以前、「そんな状況でさまざまな問題やお互いの悪いイメージを改善しよう!とがんばったとしても、短期的に解決策を講じることは難しい」と、何かモヤモヤしていた時期がありました。ところがある時「自分達の立ち位置の中で問題解決の糸口を見つけていくには、作り手・売り手・使い手の間に横断的に関係性を作っていかないと前進していかないだろう」という話をしたことが“五八=新しい形の問屋さん”としてのスタートになり、まもなく5年目に入ろうとしています。

それでは、実際の五八PRODUCTSで取扱いしています商品を事例に、五八の事や商品の背景や産地の事など五と八がリレーで、話を繋げていきます。

五八PRODUCTS プロフィール

八木沼修(代表)

  • 1970 北海道出身
  • 1998 桑沢デザイン研究所 卒業
  • 2005 デザイン創造工房『めがね』活動開始
  • 2011 五八PRODUCTS 設立

五島史士

  • 1972 長崎県出身
  • 1995 芝浦工業大学を卒業後、渡伊
    Instituto Europeo di Design(ミラノ)で工業デザインを学ぶ。
  • 2003 フリーランスデザイナーとして活動開始
  • 2006 拠点を東京に移し活動を再開
  • 2008 浦田進一氏らとともに、APARTMENTの活動を開始
  • 2011 五八PRODUCTS 設立

Comment from the Curator

五八のモノ作りには1番に「楽しむ」キモチがたっぷり入っているように感じます。
もちろんそればっかりで実用性やデザイン性の要素がなければ人を惹きつける事が
できません。
そのバランスがホントにうまく取れているな~っと思ったのが「五八」のお二人が
作り出すモノでした。一つ一つの商品に込められた思いと時間がたっぷりあります。
熟練された職人の腕に、今の時代にあったデザインとアイデアを加える。
その試みは、みんなを幸せにする「モノ作り」のような気がしてなりません。
次回は一つのアイテムができるまでの詳しいお話しです。
商品になるまでの裏側にある貴重なお話しも聞けるかも!

五八の日常に溶け込むモノづくり

1

12月15日公開

五八PRODUCTSは何屋さん?

新しいスタイルの問屋、五八PRODUCTS。日本の伝統工芸や技術を伝えるために、問屋とデザインにできることを追求します。

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