KONNO Masao

フリーライター / カメラマン / 自主映画監督

学生の頃より海外旅行を繰り返し、今では主にガイドブック『地球の歩き方』などの写真撮影や取材、ポストカードの制作、自主映画の監督などを行う。

写真を通して見る世界

三嶋さつき ピアノポスター by carbon 限定販売

インドネシア共和国

いんどねしあきょうわこく

東南アジアの国。首都ジャカルタのあるジャワ島をはじめ、13,466もの島から構成される。日本よりも人口が多く、面積は日本の5倍近くある。自然が豊かで、ジャヴァやスマトラなどコーヒー豆の名称としても有名な産地が多い。

3インドネシアの自然と観光

オランウータンの森

キャンプ・リーキー - スコニェル川の支流から見る夕焼け

旅行ガイドブックの仕事で初めて行った東アフリカのケニア・マサイマラの草原で、ライオンがヌーに襲いかかるシーンなど、サファリの初日に車から間近に見た時にはさすがに驚き興奮した。それに比べると近年よく行くインドネシアの国立公園は至って地味だ。ジャングルにはトラやサイなどもいるそうなのだが、直接見るのは地元のガイドさんでも難しいほど。よく見られるのは猿と鹿くらいなのだが、そんな中インドネシアならではの数少ないスターが、オランウータンだ。

グヌン・レウセル国立公園(ブキッ・ラワン)のオランウータン

普段それほど動物好きというわけでもない僕でも、オランウータンの母子など間近に見ていると和むし、自然と繋がれたような気がする。オランウータンで有名な国立公園はボルネオ(カリマンタン)島とスマトラ島にいくつかあるが、同じオランウータンでも、その様子は場所によってだいぶ違って見える。
元々は人に飼われていたオランウータンを森へ返すリハビリセンターがあったスマトラのブキッ・ラワンでは、先月行くと近年はさすがに野生化しつつあるようだが、数年前までは人慣れしたオランウータンと並んで写真が撮れるほどだった。人間の病気が感染ると専門家は嘆くが、旅行者には掛けがえのない思い出となるだろう。

それとは対照的に、最も多くのオランウータンが棲息するカリマンタンのタンジュン・プティンへ十数年前、ボートをチャーターして初めて訪れると、レンジャー小屋によじ登ったオランウータンが、全体重をかけギィギィ壁板を剥がしにかかっている最中だった。ガイドさんに注意されるまでもなく怖くて近づけたものではない。さらにやがて現れた巨大なボスの風格には圧倒される迫力があった。

キャンプ・リーキーの船着き場で環境客を出迎えるオランウータン

昨年、再訪した飛行機の窓からは、オランウータンの森へと向かう人気のリバークルーズで途中に通る村へと、川沿いに伸びる道が見えた。国立公園の北西端でもあるその村のすぐ近くまでは、僕らも毎日食べている商業作物・油ヤシのプランテーションがジャングルを切り崩して迫りつつある。「かつて密林の島と呼ばれたところへ」というサブタイトルで、今は亡き季刊誌『旅行人』のボルネオ特集が発売されたのは十年前だが、ジャングル・リバークルーズで見られる大自然の片側は、首の皮一枚状態だ。十数年前、リバークルーズの起点の村で家族で質素に暮らしていたガイドさんは、家を建て替え、自らの名を冠したホテルのオーナーにもなっていた。ここのオランウータンも何頭かは船着場にお出迎えに出るほど人馴れし、餌付けに出されるバナナの食べ過ぎか、今のボスを始め皆迫力は健在ながらもだいぶ肥満気味に見えた。

スマトラの象

エレファント・ライディングでバタン・スランガン川を渡る観光客(タンカハン、グヌン・レウセル国立公園)

象に乗ってジャングルを廻る「エコ・ツアー」が人気のスマトラのワイ・カンバスへ十年前に行くと、周辺の森林伐採で行き場を失った象たちが、国立公園の真ん中で、150m四方ほどのお堀の中で鎖に繋がれていた。そして日中は馬車ならぬ象車を引き、サーカスのような曲芸を仕込まれ、その芸を観光客に披露していた。週末に訪れたインドネシア人の家族連れは喜んでいたが、それは海外からの観光客がインドネシアの国立公園に期待するものではないだろう。マイナス面も含めて現状を学ぶ、スタディーツアーの旅先としては勧められるが、旅行ガイドブックで紹介するより、報道すべき対象のようにも思えた。折角のグラビア原稿は中途半端なものになってしまった。

ただ、先月行った同じスマトラのタンカハンでも、象に乗ってのトレッキングや、象の沐浴を手伝ったりが、国内外からの旅行者に近年人気急上昇中だ。象にしてみれば、サーカスの曲芸とも大して変わらないのかもしれないが、勝手なもので僕もすっかり楽しんでしまった。

三嶋さつき ピアノポスター by carbon 限定販売

写真を通して見る世界

1

7月5日公開

中国、東アフリカ編

世界を旅しながら『地球の歩き方』などに寄稿したり自主映画を制作したりするカメラマン・ライターの今野さん。撮影した写真を使って制作したポストカードは、旅の記憶を呼び起こすきっかけになります。

2

8月2日公開

旅行ガイドブックライター/カメ...

ライターやカメラマンとして、現地の人々や文化とどのように向き合うべきか? 『地球の歩き方』など、数多くのガイドブックで現地の声を届けるベテランの今野さんが、経験や年齢とともに移りゆく価値観をいま改めて見つめ直します。

3

9月6日公開

インドネシアの自然と観光

インドネシアでは国立公園でオランウータンを間近で見たり、象に乗ってジャングルを回ったりするツアーが人気です。一方で自然破壊が野生動物たちから居場所を奪い、観光向けに人間に飼い慣らされている現状も踏まえて、今野さんはガイドブックと報道の間で何をどう伝えるべきかを考えます。

4

10月11日公開

メキシコの日本人

世界を旅していると、やはり日本人がいる場所はどこかほっとするもの。メキシコの日本人宿で知り合ったレスラーのルチャ・リブレ(プロレス)を観に行ったり、フィルムを扱う雑貨店のご家族に招かれて日本食をご馳走になったり、メキシコでも日本人との色々な出会いがありました。

5

11月1日公開

欧州サッカー観戦ガイド

中田、中村、小野、稲本…日本サッカーが世界に羽ばたいた2000年代初頭、今野さんはサッカー観戦ガイドブックの記者としてヨーロッパで取材をしていました。国ごとに異なるファンの扱いなど、臨場感あふれる当時の様子を振り返ります。

6

12月6日公開

旅行と映画

学生時代は旅費を稼ぐために映画関係のアルバイトをしていたという今野さん。そして今、その旅行や取材で培った体験を元に映画を撮ろうと思ったのも偶然ではないかもしれません。世界を旅する今野さんは、これからどんな物語を映し出してくれるのでしょう。