KONNO Masao

フリーライター / カメラマン / 自主映画監督

学生の頃より海外旅行を繰り返し、今では主にガイドブック『地球の歩き方』などの写真撮影や取材、ポストカードの制作、自主映画の監督などを行う。

写真を通して見る世界

6旅行と映画

映画関係のアルバイトで旅費を稼いだ学生時代

インド・コルカタ(カルカッタ)の街角映画館

初めての海外旅行は中国。杭州郊外の見世物小屋前

学生の頃から旅行と映画が好きで、大学時代は旅費を稼ぐため、エキストラや劇場の大道具や小道具のバイトなどもした。
バイト先と学校の間には年会費1万円で古い映画見放題のミニシアターがあり、よく通った。大学には自主映画サークルがいくつもあり、新歓上映会を観て回ったが、一緒に撮りたいと思うようなところが見付からなかったので、ひとまずバイトを頑張り、旅に生きることにする。

大学時代の旅先、南米ペルー・チチカカ湖のアマンタニ島

旅行と映画といえば、2大娯楽だが、なんとか仕事にできないかと思い、就職活動の時期には、海外旅行番組なども手掛ける制作会社の面接を受けたが採用されなかった。
卒業後、テレビやカラオケビデオの制作会社などでADのバイトをするが、ここでも使いものにならなかった。撮った写真を褒められることはあっても、初めて撮った謎の自主映画は沈黙を呼ぶばかりで、調度その頃、旅行ガイドブックの仕事を始めた。

果てしなく険しい映画の道

初めての海外取材は東アフリカ。タンザニアのバスの中

当初の計画では、ガイドブックの仕事で海外を旅し、経験を積み、集めたネタで脚本を書き、映画を撮るはずだったのだが、世の中そんなにうまくいくはずがない。4年前、自主映画のワークショップに通い始め、何本か撮り、いつの間にか全国各地で開かれるようになっていた映画祭のコンペに応募しては落選してばかりいる。ごく稀に入選し、最近では福井や浜松など、地方の映画祭へ自腹で伺い、ごくごく稀に賞など戴き、そこで会う映画好きと話すのが今の楽しみだ。

そうした小さな映画祭の打ち上げでお会いした、審査員を務める同世代監督は、近年ブレイクし、世界各地の映画祭に毎月招待されているという話や今後の抱負や展望をひとしきり語った後、明日は朝からスーパーで開店準備のバイトあるからと言って帰って行った。映画部門の道は果てしなく険しそうだ。

今後のこと

インドネシアの新興リゾート・カリムンジャワ諸島。スマランの観光局にお勤めのKaoさん撮影

海外へ行ける旅行ガイドブックの仕事は、よく羨ましがれるが、皆がくつろぐ南の島のリゾートで、大きなカメラを首からぶら下げ、汗をダラダラかきながら忙しなく歩き回っているのは、きっと異様でバカみたいに見えるだろう。
同じところへ何度も行くと、さすがに飽きてくるが、泊まる場所を変えたり、郊外へ出かけてみたりすれば、また様子が違って面白い。

この夏に行ったインドネシアのジャカルタも1年半ごとに通っているが、高層ビルの屋上にできたテラスバーで夜景を見ながら、カクテルを飲んだ翌日、初めて参加したスラムツアーでは、これまでいわゆる観光とは相容れず、あえて見ようとはしてこなかった街の一面を肌で感じることができた。

制作費を数千万円出してくれる自主映画の企画コンペも増えてきているので、写真を通して見て感じてきた体験をもとに企画を練り、試作を重ね、社会派エンタテイメントの劇映画を撮りたいと思っています。

昨年撮った僕の自主映画の上映予定は現在ありませんが、日本各地の映画祭コンペに絶賛応募中ですので、いつ何時、最寄りの施設で上映されるかもしれません。KAMAKULANIや僕のFBページなど時折御覧戴ければありがたいです。

6か月間、書かせて戴きましたこちらの記事を、お読み頂き、どうもありがとうございました!

今野さんの最新自主制作映画『それも恋』

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今野さんが監督した自主制作映画『それも恋』が福井駅前短編映画祭でフェニックス大賞(グランプリ)を受賞しました!おめでとうございます!今後の上映情報などはKAMAKULANIでもお知らせします。

監督:今野雅夫(神奈川県)
主演:仁後亜由美・葉全・田代さやか

いつも不機嫌で冴えないお局が、母の死をきっかけに、若いイケメン出稼ぎ中国人と付き合い始める。ワケあり妹の反対も聞かず、恋をし、得たものと失ったものとは?愛すべき嘘つきとバカのお話。

写真を通して見る世界

1

7月5日公開

中国、東アフリカ編

世界を旅しながら『地球の歩き方』などに寄稿したり自主映画を制作したりするカメラマン・ライターの今野さん。撮影した写真を使って制作したポストカードは、旅の記憶を呼び起こすきっかけになります。

2

8月2日公開

旅行ガイドブックライター/カメ...

ライターやカメラマンとして、現地の人々や文化とどのように向き合うべきか? 『地球の歩き方』など、数多くのガイドブックで現地の声を届けるベテランの今野さんが、経験や年齢とともに移りゆく価値観をいま改めて見つめ直します。

3

9月6日公開

インドネシアの自然と観光

インドネシアでは国立公園でオランウータンを間近で見たり、象に乗ってジャングルを回ったりするツアーが人気です。一方で自然破壊が野生動物たちから居場所を奪い、観光向けに人間に飼い慣らされている現状も踏まえて、今野さんはガイドブックと報道の間で何をどう伝えるべきかを考えます。

4

10月11日公開

メキシコの日本人

世界を旅していると、やはり日本人がいる場所はどこかほっとするもの。メキシコの日本人宿で知り合ったレスラーのルチャ・リブレ(プロレス)を観に行ったり、フィルムを扱う雑貨店のご家族に招かれて日本食をご馳走になったり、メキシコでも日本人との色々な出会いがありました。

5

11月1日公開

欧州サッカー観戦ガイド

中田、中村、小野、稲本…日本サッカーが世界に羽ばたいた2000年代初頭、今野さんはサッカー観戦ガイドブックの記者としてヨーロッパで取材をしていました。国ごとに異なるファンの扱いなど、臨場感あふれる当時の様子を振り返ります。

6

12月6日公開

旅行と映画

学生時代は旅費を稼ぐために映画関係のアルバイトをしていたという今野さん。そして今、その旅行や取材で培った体験を元に映画を撮ろうと思ったのも偶然ではないかもしれません。世界を旅する今野さんは、これからどんな物語を映し出してくれるのでしょう。